OLYMPUS OM-D E-M1 Mark Ⅲ を使ってみた感想

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OLYMPUS OM-D E-M1 Mark Ⅲ

気軽に持ち出せるコンパクトなカメラが欲しいと思っていたところ、OLYMPUS OM-D E-M1 Mark Ⅱ を貸してもらえる機会があり、使ってみたら、自分が求めていた要素をほとんど満たしていたので、その後続機である OLYMPUS OM-D E-M1 Mark Ⅲ を購入しました。 

なので、今回はOLYMPUS OM-D E-M1 Mark Ⅲ を使ってみた感想を書かせて頂きます。(動画はほとんど撮らない人間の感想になります)

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スペック

センサー4/3型Live MOSセンサー
有効画素数約2037万画素
AF121点オールクロス像面位相差AF
連射速度AF/AE追従メカシャッター時:約15コマ/秒、電子シャッター時:約18コマ/秒
シャッター速度メカシャッター時:1/8000~60秒、電子シャッター時:1/32000~60秒
標準ISO感度ISO200~6400(拡張ISO64~25600)
測光範囲-2~20EV
手ブレ補正形式撮像センサーシフト式5軸手ブレ補正
手ブレ補正段数ボディ単体 7段、シンクロ手ブレ補正時 7.5段
ファインダーアイレベル式液晶ビューファインダー約236万ドット、視野率:100%、倍率:約1.30~1.48倍
背面モニター3.0型バリアングルモニター 約104万ドット
メディアスロットスロット1:SDHC(UHS-Ⅱ対応)、スロット2:SDHC(UHS-Ⅰ対応)
インターフェースUSB Type-C
撮影可能コマ数約420枚
静止画記録方式JPEG、RAW(12bitロスレス圧縮)
ボディ重量約504g
公式ページより引用

詳しいスペックは公式ページで確認して下さい。

外観・操作性

前機種であるMarkⅡとの比較が多くなっているので、MarkⅡのレビューも合わせて読んで頂けると助かります。

Nikon D500とサイズの比較

一番に感じることはとにかくコンパクトであることです。APS-Cセンサーのデジタル一眼レフカメラ Nikon D500 と比較すると2周り位小さく感じます。

ですが、グリップはしっかりとした形状になっているので、成人男性が握っても指が余ることはほぼ無いと思います。ボタン類もコンパクトだからといって操作性が犠牲になっていることもありません。

前面のデザインは先代のMarkⅡとほぼ同じです。モデル名のエンブレムが前面下部に移動したこと位しか違いが分かりません。このエンブレムに関しては否定的な意見が多いですね。自分も無いほうが良かったと思います。

上面はコンパクトなスペースに物理ボタンが配置されています。MarkⅡとの違いはモードダイヤルのアートモードが廃止されC4(カスタムボタン)に置き換わったことです。

このカスタムボタンがとても便利で、他社だとカスタム設定はメニューボタンなどから呼び出さなければならなかったりしますが、このカメラは自分の好みにカスタムした設定をダイヤルを合わせるだけで呼び出せます。

ただ、前の記事にも書きましたが電源ボタンの位置だけはどうにも馴染めません。Nikonの様にシャッターボタンの所に付いているのが理想です。

背面はMarkⅡから変更されている部分が多いです。

一番の変更点はジョイステックが追加されたことです。MarkⅡではAFポイントを十字ボタンで移動しなくてはならなかったのと比べると、AFポイントの移動がスムーズに行えるようになりました。斜め移動も可能になったのが大きいいですね。


メニューボタンが右上に移動しました。コンパクトなカメラは片手操作で完結出来ることが理想だと思っているので、両手を使わないと操作できなくなってしまったのは残念です。


EVFはMarkⅡから変更がありません。これが一番残念なポイントです。約236万ドットと他社と比べると解像度で劣る上、他社が有機ELに移行している中、未だに普通の液晶モニターです。実際に覗いても、いかにも液晶モニターを見ているって感覚で、気持ちのいいものではありません。ピントが合っているかどうかも正直分かりにくいです。

だだ、解像度以外のEVFとしての性能は高いです。表示速度を120fpsにすれば滑らかな表示になりEVFにありがちなタイムラグはほぼ感じません。明るさの自動調整も自然です。

OLYMPUSをEVFの高解像度化よりも動体撮影での見え方を重視しているように思えます。


背面モニターはバリアングルモニターになっています。ここもmarkⅡから変更はありません。約104万ドットと控えめですが、撮影した画像のプレビューは綺麗に表示されます。

バリアングルモニターは便利です。チルトモニターと比べると、アングルの自由度が全然違います。光軸からズレることは個人的には気になりません。

モニター自体の性能とは関係がないのですが、使ってみて気になったことがあります。それはRAW画像のみで撮影するとプレビューの拡大表示が荒くなってしまうということです。どうやらRAWに埋め込まれるサムネイル用の画像が小さいサイズになっているようです。なので、拡大表示にしてピントを確認したい場合はRAW+JPEGでJPEGを大きいサイズにする必要があります。

記録メディアスロットはスロット1がSDHC(UHS-Ⅱ)、スロット2がSDHC(UHS-Ⅰ)に対応しています。ここもMarkⅡから変更がありません。EM-1Xは両方ともUHS-Ⅱに対応していますが差別化された形ですね。


USB給電/充電に対応しました。カメラにPD規格の電源を挿すことで給電できます。モバイルバッテリーで給電することで長時間の撮影も安心して出来そうです。

どうしてもデジタル一眼レフカメラと比べるとバッテリー自体の持ちは良くありません。常に電源をONにしていると半日くらいの撮影でもバッテリーが無くなりそうになります。なのでUSB給電が可能になったのは大きな改善点です。

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画質

センサーはMarkⅡと同じセンサーです。他社のカメラのセンサー更新頻度を考えると残念と言わざるを得ないです。映像エンジンは最新のものにアップデートされていますが、新しく追加された機能の為という感じで、画質への影響はあまり無いようです。

全てM.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PROと組み合わせで撮った写真になります。

 

通常撮影

換算82mm F8 1/20s ISO200
換算42mm F5.6 1/1,000s ISO200
換算200mm F4 1/200s ISO200
換算200mm F4 1/1,250s ISO200

有効約2,037万画素の4/3型Live MOSセンサーを搭載されています。2,000万画素もあればブログに載せるのにはもちろん、A3にプリントするにも十分な画素数です。

初めて撮った写真を見た時は解像感の高さに驚きました。クリアで質感がしっかり伝わって来ます。拡大するとタンポポの綿毛が一本一本確認できるくらい緻密な描写です。フルサイズを使っていた自分でも思ってた以上に良い画質だと感じました。

それはOLYMPUSのレンズ性能が高いおかげもあると思います。他社だと焦点距離によって画質の差が大きい場合があるとおもいますが、OLYMPUSのPROレンズはどの焦点距離でも安定した画質で撮れます。


よく言われるマイクロフォーサーズはボケないという問題ですが。タンポポの写真はF4でもこれくらいボケています。さらに明るいレンズならもっとボケるでしょう。十分だと思いませんか?それにボケにくいということは被写界深度が深いと言い換えることが出来ます。なので、ピンぼけしにくいというメリットにもなるのです。


そして、ボディ内手ブレ補正が本当に強力です。ボディ単体で最大7段、シンクロ手ブレ補正対応のレンズなら最大7.5段にもなります。他社の手ブレ補正よりも文字道理段違いで、それはセンサーサイズが小さいことで実現可能となっているんだと思います。

この強力な手ブレ補正のおかげで後述する機能が使えるということもありますが、通常の撮影でも失敗を格段に減らしてくれ、撮影出来る場面も増やしてくれます。

1秒位のシャッタースピードでも安定して撮影できるので、普通なら三脚が無ければ諦める場面でも撮影が出来るなどです。

 

高感度撮影

ISO200

上の画像と同じように撮った写真の一部をISO感度別に拡大してみました。

ISO200
ISO800
ISO1600
ISO3200
ISO6400
拡張ISO25600

全てRAWで撮影してあります。

最初に気付いたのは拡大すると、標準ISO感度での最低値ISO200でも若干ノイズがあることです。と言っても常識的な鑑賞方法なら分からないレベルです。

個人的な感覚になってしまいますが、ブログに載せる程度ならISO6400まで使えるかなと言う感じです。出来るだけ綺麗に残したい場合はISO1600までにしたい所です。

ISO1600までは拡大しなければ違いが分からないレベルです。ISO3200を超えると拡大しなくても粒子感が感じられるようになり、ディテールと色再現性の低下が見られます。ただISO6400でも色ノイズほとんど見られません。

拡張ISO感度の最大値ISO25600だと、拡大しなくても各種高感度ノイズが盛大に出ているのが分かります。緊急用といった感じで、旅先での記念撮影程度なら使ってもいいかも知れません。


以前に所有していたフルサイズカメラ Nikon D810と比べると、一段分の差が感じられます。D810は3600万画素の高画素機なので、高感度性能が高くなかっというのもあるかと思いますが、想像していたより差がないと感じました。

そして、その差も前述した強力な手ブレ補正のおかげで、ISOを上げないで済むことにより、画質の逆転が可能になります。そう考えればマイクロフォーサーズの弱点と言われている高感度画質も十分補えていると言えます。

ただし、暗いところでシャッタースピードを早くしたい場合は手ブレ補正ではどうにもならないので、明るいレンズを使うしかないです。

手持ちハイレゾ

新しく追加された機能のとして「手持ちハイレゾ」があります。MarkⅡではハイレゾショットを撮るには三脚が必要でしたが、MarkⅢでは手持ちでハイレゾショットが可能になりました。

手持ちハイレゾは一回で16枚撮影した画像を合成し、約5,000万画素として保存されます。仕組みとしては手持ち撮影による僅かな位置ズレを利用し画像を合成しています。強力な手ブレ補正があって実現した機能です。

換算50mm F5.6 1/1,000s ISO200 手持ちハイレゾ

約2,037万画素から約5,000万画素に画素数が増えているので、拡大すればその分細かく写っています。効果はそれだけではなくノイズの低減と階調性も良くなります。

通常撮影と手持ちハイレゾで赤く囲ったところを切り出して比較してみました。

ブログ上の画像だと違いが分かり難いとは思いますが、手すりのディテールなどは手持ちハイレゾの方が鮮明に写っています。

成功率も自然光下では90%以上あると思います。なので、出来るだけ手持ちハイレゾで撮影したいと思わせるほど、実用的で効果的です。

ただし、弱点もあります。それは風などで動いた部分の解像感が極端に低下することです。上の比較画像でも分かると思いますが、人工物の解像度は明らかに手持ちハイレゾが上なのですが、木の葉は通常撮影の方がくっきりと写っているのが分かると思います。この日は結構強めの風が吹いていて葉が動いてしまっていたのです。

なので、手持ちハイレゾは風の影響を受けない人工物を撮影する時に使うのが効果的です。

ライブND

ライブND」も新機能です。複数の画像を合成することにより、白飛びを防ぎつつ、スローシャッターで撮影したような表現が可能です。ND効果を最大5EV分得られます。しかも、その効果をライブビュー上で確認できます。

換算76mm F10 0.6s ISO200 ライブND ND32

日中だと絞り値を大きくしてISO感度を下げても、シャッタースピードが下がらない場面があります。そういう場面でライブNDを使えばスローシャッターと同じ様な表現が可能になります。

上の画像は手持ちで撮影しました。強力な手ブレ補正のおかげで手持ちでの撮影も可能です。

ただし、あくまでもスローシャッターの様な表現が可能であるということで、NDフィルターの様な純粋な減光効果を期待して使うことは出来ません。

AF・連射性能

公式ページより引用

AF性能

121点オールクロス像面位相差AFとなっていて、画面のほとんどをカバーしています。点数は他社のミラーレスよりも少ないように思えますが、マイクロフォーサーズではこれで十分過ぎると思います。マルチセレクターが追加されたことによりAFポイントの移動がスムーズに出来るようになりました。


静物撮影での撮影はシングルポイントで行えば、AF速度と精度に関しては文句はありません。暗い場面でも問題なく合ってくれます。

マイクロフォーサーズの被写界深度が深くなりやすいという特徴もあって、ピント合わせがフルサイズよりもシビアではないということもあると思います。


動体撮影で使用するC-AFですが、カメラまかせのオートエリアでは被写体の追従性がいまいちに感じました。被写体以外の物が入るとそっちに引っ張られることがあり、被写体が離れていくとすっぽ抜けることもありました。

グループエリアAFにして、5点か9点を手動で動かして被写体を追えば、追従性と精度は高く感じました。

顔優先/瞳優先AF

MarkⅡから映像エンジンの処理能力の向上とアリゴリズムの改善で、能力が大幅に向上しているとのこと。

自分には人物撮影の機会が無い(泣)ので、TVの映像で確認してみましたが、明るい場面では素早く顔認識をしてくれていました。瞳は左右どちらかを優先するか設定することが出来ます。

ですが、後を向いたりすると解除されてしまうので、他社の人物認識よりは不便に感じるかも知れません。

星空AF

追記予定です。

連射性能

メカシャッター時AF/AE追従で約15コマ/秒の連射が可能です。ミラーレス機の中でもトップクラスになっています。さらにMarkⅢでは連射Hで10~15コマ/秒、連射Lで1~10コマ/秒に設定可能なので、自分に合った連射速度にすることが出来ます。

電子シャッター時にはAF/AE追従で約18コマ/秒。AF/AE固定で約60コマ/秒と驚異的な連射速度です。

プロキャプチャーモード

プロキャプチャーモード

プロキャプチャーモードという、シャッター半押し状態から撮影を開始し、シャッター全押しするまでの最大35コマまでをさかのぼって記録する機能があります。

野鳥撮影などで狙ったシーンを撮影することが難しい場合に効果的です。

他社にも似たようなモードがありますが、OLYMPUSのこの機能では通常と同じ約2,037万画素のRAWで記録が可能です。


連射速度が早いのですぐバッファが詰まってしまいます。なのでMarkⅢの連射速度を活かすためにはUHS-Ⅱ規格のSDカードの仕様が理想です。

まとめ

MarkⅡからの進化幅が少なかったことから、期待はずれという評価が多いMarkⅢですが、個人的にはOM-D E-M1の新型として恥じない性能を持っていると思います。

  • コンパクトなシステム
  • 高性能なレンズによる画質性能
  • ジョイステックによるAFポイントの移動が容易になった
  • 強力な手ブレ補正・AF性能による撮影の失敗の少なさ
  • 手持ちハイレゾなどの新機能
  • USB給電

これらに魅力を感じるなら自信を持って勧められるカメラです。

 

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