OM SYSTEM OM-1 について個人的な感想

2022年3月25日

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OM SYSTEM OM-1

OM SYSTEMがOLYMPUSから独立して初めてのフラッグシップカメラ「OM-1」を発表しました。

前機種となったOLYMPUS E-M1 MarkⅢを所持しているので、発表されたスペックと比較しながら感想を書かせていただきます。

スペック

  OM-1 E-M1 Mark Ⅲ
センサー 4/3型 裏面照射型 LIVE MOSセンサー 4/3型 Live MOSセンサー
有効画素数 2037万画素 2037万画素
画像処理エンジン True Pic X True Pic Ⅸ
常用ISO感度 LOW(80)-25600 LOW(64)-6400
AF 1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF 121点オールクロス像面位相差AF
AFグループターゲット 9点、36点、63点、165点 5点、9点、25点
AF機能 AI被写体認識AF、星空AF 星空AF
連射 S-AF(AE/AF固定) 最大約120コマ/秒 最大約60コマ/秒
連射 C-AF(AE/AF固定) 最大約50コマ/ 秒 最大約18コマ/秒
プロキャプチャーモード 最大70コマ 最大35コマ
ライブND ND2~ND64 ND2~ND32
ライブコンポジット 最長6時間、ISO上限6400、手ブレ補正対応 最長6時間、ISO上限1600
動画記録方式 C4K60p、4K60p、240fps

C4K24p、4K30p、120fps

動画記録制限時間 無制限

約29分

EVF 有機EL・576万ドット/約1.65倍

液晶・236万ドット/約1.48倍

背面モニター 3.0型バリアングル液晶/162万ドット

3.0型バリアングル液晶/104万ドット

カードスロット

ダブル(UFS-Ⅱ対応)

ダブル(1のみUFS-Ⅱ対応)

撮影可能コマ数

約520枚

約420枚

防塵・防滴

IP53対応

IPX1対応

重量(ボディのみ)

511g

504g

詳しいスペックは公式サイトで確認してみて下さい。

OM-1という名前はOLYMPUSが1972年に販売した35mm一眼レフカメラと同じ名称です。当時、世界最小最軽量の35mm一眼レフカメラとして登場し、高い信頼性と扱い易さで人気を博しました。

そんなOM-1と同じ名称を冠したOM SYSTEMのOM-1もミラーレスカメラの新しい歴史を切り開くスペックになっていると感じました。

外観

公式サイトより引用

ぱっと見では違いが無いように見えますが、実際はいくつかの変更点があります。

ペンタ部やボタンが丸みを帯びた形状に変更されています。そして凹みを付けたりボタンの間隔を広げるなど操作が改善されているように見えます。全体的に角ばっていたE-M1と比べると丸みを帯びたデザインとなっています。

大きく変更されたのがグリップでE-M1Xのようにシャッターボタンとダイヤルが独立しました。

AF-ONボタンが追加されたのも変更点です。

アイカップの形状が変更されていて、アイセンサーが横から下に移動しています。

ペンタ部にOLYMPUSのロゴが残っていますが、

OM-1は、OLYMPUSから受け継いできたブランドや開発思想などのDNAを継承しつつ、新たに提供する革新の技術を融合した象徴的なモデルなので、あえて“OLYMPUS”の表記とした。ただし、今後投入するカメラは、すべて“OM SYSTEM”ロゴになる

マイナビニュースより引用

とのことなので、OLYMPUSのロゴが残る最後のカメラとなりそうです。ただ、右下にもOM SYSTEMのロゴがあるのでペンタ部のロゴがどうなるのか気になります。

個人的にはE-M1のデザインは気に入っていますし、物理的な操作性に不満を持ったことがない(電源ボタンの位置も馴れました)ので、OM-1でさらに良くなっていると思うと羨ましいです。

画質

EM-1はMarkⅢまで同じセンサーが搭載されていましたが、OM-1になり完全に新規のセンサーになりました。有効画素数こそ2037万画素と同じですが、「裏面照射積層型 Live MOS センサー」となりました。そして新開発の映像エンジンである「True Pic Ⅹ」が組み合されます。

マイクロフォーサーズの弱点は高感度撮影に弱いことでした。それが裏面照射型センサーとなったことにより、最大常用ISO感度が6400からISO25600と二段分も向上しました。E-M1を使っているとISO200でもノイズが出ていることがあったのと、暗所でシャッタースピードをが必要な場面でマイクロフォーサーズは厳しいと感じていましたが、それがどれだけ改善しているのか気になります。

ダイナミックレンジと解像感も向上しているということです。E-M1でもレンズによっては驚くほど高画質だと感じるので、それがどれだけ進化して大型センサーの画質に迫れているのか気になります。

E-M1 MarkⅢ ISO6400
E-M1 MarkⅢ M.ZUIKO 12-100mm F4 PRO

さらに各撮影モードの処理速度が早くなっています。手持ちハイレゾショットがMarkⅢでは処理に12秒掛かっていたのが、5秒に短縮されました。これはかなり大きな進化点だと思います。

AF

E-M1では121点オールクロス像面位相差AFでしたが、OM-1は「1053点オールクロス像面位相差クアッドピクセルAF」となり、まさしく桁違いにAFポイントが増えました。

カバー率は100%となり、細かなポイント合わせが可能な上、検出の精度も大幅に向上しているとのことです。AFグループターゲットの点数も増えたので、以前より被写体別に柔軟な対応が出来るようになりました。

E-M1Xにも搭載されている「AI被写体認識AF」モータースポーツ、鉄道、飛行機、鳥に加えて犬・猫が追加されました。他社ではお馴染みの機能ですが、公式サイトの犬がスラロームしている所を撮影している動画を見る限り、OM-1の精度は他社をリードしているように感じます。もうAFはAIに任せる時代になって行くのかも知れませんね。

個人的にはE-M1のAF性能でも不満を感じたことはありませんが、さらに進化しているとなるとピント合わせに困ることは無くなってしまうのではと思います。

E-M1 MarkⅢ

連射

メカシャッターでの連射は最大約10コマ/秒になりました(MarkⅢは最大15コマ/秒)。ですが、電子シャッターではAF/AE追従で約50コマ/秒とMarkⅢの約18コマ/秒から大幅に高速化されました。AF/AE固定は約120コマ/秒と、もはや動画の域になっています。さらに電子シャッターではブラックアウト無しとMarkⅢから大幅な進化です。

 

プロキャプチャー

シャッター半押しから記録を開始し、全押しから遡って記録できるプロキャプチャーもAF/AE固定で約120コマ/秒になりました。

ここまで早くなって何を撮るのかという問題もありますが、進化したAFと合わせて決定的な瞬間も逃さないカメラとなっていると思います。

最近のカメラは電子シャッターが基本となりつつありますね。MarkⅢのシャッター音も好きですが、OM-1はどんな音なのか気になります。

E-M1 MarkⅢ

EVF

E-M1を使っていて一番残念に感じていた部分はEVFでした。液晶・236万ドットでいかにも液晶画面を見ているという感じで撮影していて気持ちがいいとは言えないEVFでした。それが有機EL・576万ドットとなり、やっとスペックで他社と並びました。倍率も35mm換算0.85倍と上がり、遅延も0.005秒と進化しています。

一眼レフでファインダーが重要だったように、ミラーレスではEVFの出来がカメラの評価に大きく影響されると思います。EVFだけでもMarkⅢから乗り換える価値があるのではないかと思います。正直羨ましいです。

その他

バッテリーが新しくなり撮影可能枚数が420枚から520枚に増えています。バッテリーを共有出来ないのはデメリットですが、OM SYSTEMに切り替わるタイミングでの変更は英断だったのではないでしょうか。

カードスロットはSDカードのダブルから変更はありませんが、MarkⅢではスロット1のみUHS-Ⅱに対応だったのが、OM-1では両方ともUHS-Ⅱに対応しています。

メニューが一新されタブが縦だったのが横に変更されました。個人的にOLYMPUSのメニューは分かりづらいと感じていました。項目が整理されている様に見えるので、どれくらい分かりやすくなっているのか気になります。ですが、他社のカメラと併用されている方は混乱するかも知れません(Nikonのメニューは縦の構造)。

防塵・防滴も強化されIP53に対応しました。

機器の正常な作動に支障をきたしたり、安全を損なう程の料の粉塵が内部に侵入しない

 

200mmの高さより60°の範囲 10ℓ/分の放水、10分

日本工業規格(JIS)より引用

もはや人間のほうが先に駄目になってしまいそうです(笑)。

まとめ

E-M1がMarkⅡからMarkⅢへの進化が少なかったので、ようやくメジャーアップデートと言えるほどの大幅な進化と言えそうです。

OM SYSTEMが満を持して世に放ったフラッグシップモデル。これからのマイクロフォーサーズの可能性を示すカメラとなりそうです。

2022年3月発売ですが、2月の時点での予約価格が約24万円。MarkⅢが約20万スタートだったので性能を考えると妥当な値段でしょうか。